群馬県内の介護施設のホームページを制作しました。
今回の制作では、単に施設の情報を掲載するだけではなく、入居を検討しているご本人やご家族が、サイトを見たときに少しでも安心できることを大切にしました。
介護施設を探すとき、利用する方やご家族には、さまざまな不安があると思います。
どのような場所なのか。 どのような人が過ごしているのか。 施設の雰囲気は自分たちに合いそうか。 相談したいときは、どこから連絡すればよいのか。
こうした疑問にホームページ上で答えられるよう、情報の整理からデザイン、実装、公開までを行いました。
今回は、介護施設のホームページをどのような考え方で制作したのか、実際の流れと制作中に起きた問題も含めて振り返ります。
ホームページ制作で解決したかったこと
今回の制作で目指したのは、施設の存在や特徴をオンライン上でも分かりやすく伝えられる状態をつくることでした。
介護施設を探しているご家族にとって、施設の設備やサービス内容はもちろん大切です。
一方で、それと同じくらい、
「どのような雰囲気なのか」 「安心して相談できそうか」 「大切な家族を任せられそうか」
という感覚的な部分も、施設を検討するうえで重要だと考えました。
そこで今回は、次のような役割をホームページに持たせることにしました。
- 施設の基本情報を分かりやすく伝える
- 写真を通して施設内外の雰囲気を届ける
- 利用を検討しているご家族の不安を減らす
- 医療・介護関係者が施設情報を共有しやすくする
- 電話や問い合わせへ迷わず進めるようにする
見た目を整えることだけではなく、「誰が、どのような状況で見るのか」を考えながら、必要な情報と導線を整理していきました。
最初に行ったのは、デザインではなく情報整理
ホームページ制作というと、色やレイアウトを決めるところから始まるイメージがあるかもしれません。
しかし、今回も最初に行ったのはデザインではなく、掲載する情報の整理でした。
施設名、施設の特徴、居室や共有スペース、所在地、連絡先など、必要な情報を確認しながら、サイトを訪れた人が知りたい順番へ並べ直しました。
運営する側にとって当たり前になっている情報でも、初めて施設を知る人には分かりにくいことがあります。
反対に、詳しく説明しようとして情報を増やしすぎると、本当に伝えたいことが見えにくくなってしまいます。
そのため、
- 最初に何を伝えるか
- 詳細をどこまで掲載するか
- 写真で伝える部分と文章で説明する部分をどう分けるか
- 相談や問い合わせへどのようにつなげるか
を整理してから、ページ構成を考えました。
写真から施設の雰囲気が伝わるデザインへ
デザインでは、施設の写真を主役にしました。
介護施設のホームページでは、文章だけでは伝えにくい情報が多くあります。
建物の外観、居室、共有スペース、周囲の環境などは、実際の写真を見ることで初めてイメージできる部分です。
そこで、装飾を増やしすぎず、写真が自然に目に入る構成を意識しました。
基本となる色には、やさしいピンクを使用しています。
医療・介護分野のサイトでは、青や緑が使われることも多いですが、今回は施設が持つ温かさや親しみやすさを伝えるため、やわらかなピンクを基調としました。
ただし、色の印象が強くなりすぎると情報が読みづらくなります。
背景には白を多く使い、ピンクは見出しやボタン、区切りなどに絞って配置しました。
文字についても、装飾性より読みやすさを優先しています。本文は十分な大きさを確保し、文章が詰まって見えないように余白を取りました。
ロゴに込めた「寄り添い」と「見守り」
ホームページとあわせて、施設のロゴについても検討しました。
モチーフにしたのは、人と人とのつながりです。
介護の仕事には、利用する方へ寄り添うことや、日々の暮らしをそっと見守ることがあります。
その関係性を、人物を思わせる抽象的な形で表現しました。
具体的な人物像を描き込みすぎず、見る人によって「支える人」「支えられる人」「家族」「スタッフ」など、さまざまな関係を感じられるデザインを目指しています。
ロゴ単体の見た目だけではなく、ホームページの色や写真、文字と組み合わせたときに、施設全体の雰囲気が統一されることも意識しました。
スマートフォンでの見え方を優先して調整
現在は、施設を探すときもスマートフォンからホームページを見る人が多いと考えられます。
そのため、パソコンで整って見えるだけではなく、スマートフォンでも情報を読みやすいことを重視しました。
制作中には、パソコンでは問題なく見えていても、スマートフォンではトップの画像や文字が窮屈に見える部分がありました。
特に最初に表示されるメインビジュアルは、画面の横幅が変わることで写真の切り取られ方も変わります。
そこで、単純にパソコン版を縮小するのではなく、
- 写真の中心がどこに来るか
- 施設名やメッセージが途中で切れないか
- ボタンを押しやすい大きさになっているか
- 文字と写真が重なって読みにくくなっていないか
- 情報量が多すぎて縦に長くなりすぎていないか
を端末ごとに確認し、調整しました。
ホームページは完成画像を一枚作れば終わるものではありません。
実際の画面幅で表示しながら、小さな違和感を一つずつ直していく工程が必要だと改めて感じました。
地図と問い合わせ導線を分かりやすくする
施設への相談を考えている人が、必要な情報を探し回らなくて済むように、問い合わせ導線も整理しました。
電話番号や問い合わせボタンは、ページの中で見つけやすい位置に配置しています。
当初はページ内へ問い合わせフォームを直接設置する案もありましたが、画面上の情報量や管理のしやすさを考え、最終的には分かりやすいボタンからフォームへ進む構成にしました。
問い合わせフォームには外部サービスを使用し、施設側が継続して管理しやすい形にしています。
また、関連する施設が近い場所にあるため、地図の見せ方にも注意しました。
施設ごとに複数の地図やボタンを並べると、どれを押せばよいのか分かりにくくなります。
そこで、利用する人が迷わないように入口を整理し、必要な場所へ進める構成へ変更しました。
機能を増やすよりも、選択肢を適切に減らしたほうが使いやすくなることがあります。
今回の地図と問い合わせ導線は、そのことを感じた部分でした。
Astroを使って軽量なサイトを制作
サイトの実装には、Webサイト構築のためのフレームワークであるAstroを使用しました。
今回のような施設紹介サイトでは、派手な機能を増やすことよりも、
- ページがスムーズに表示されること
- スマートフォンでも見やすいこと
- 必要な情報へ迷わず進めること
- 今後も安定して公開を続けられること
が重要です。
そのため、必要以上に複雑な仕組みを使わず、静的なページを中心とした構成にしました。
また、検索結果やSNSで共有されたときに、施設名と外観写真が適切に表示されるよう、タイトルや説明文、OGP画像も設定しています。
ホームページは、サイトを開いた後だけでなく、検索結果や共有されたリンクの時点から見られています。
その入口も含めて設計することが大切です。
公開直前に起きたドメイン設定の問題
制作が終わり、サーバーへデータをアップロードすれば、すぐにホームページが表示されると思っていました。
しかし、公開時には独自ドメインの設定で問題が起きました。
今回使用したのは、XServer Staticとムームードメインです。
サイトのデータ自体は公開できていても、独自ドメインへアクセスすると正しく表示されない状態になりました。
こうした問題が起きたときは、制作したコードだけでなく、
- ドメイン側のネームサーバー設定
- DNSレコード
- サーバー側のドメイン設定
- SSLの反映状況
- 設定変更からの経過時間
など、複数の場所を確認する必要があります。
画面にエラーが表示されると、すぐに設定を追加したり書き換えたりしたくなります。
しかし、DNSの変更には反映まで時間がかかることがあります。変更直後にさらに別の設定を行うと、どの操作が影響しているのか分からなくなってしまいます。
今回はムームードメインとXServer Staticの設定を確認し、DNSの切り替えと反映を待つことで表示を復旧できました。
Webサイト制作では、デザインやコーディングが完成しても、公開できるとは限りません。
ドメイン、DNS、サーバー、SSLまで含めて、初めて利用者がアクセスできるホームページになります。
制作して学んだこと
今回の制作を通じて、介護施設のホームページで大切なのは、情報量の多さではなく「不安を少しずつ減らせる構成」だと感じました。
きれいなデザインを作ることも大切です。
しかし、それだけでは、
「自分の家族に合う施設なのか」 「安心して相談してよいのか」
という疑問には答えられません。
実際の施設写真を見せること。 読みやすい言葉で説明すること。 問い合わせ先を分かりやすくすること。 スマートフォンでも迷わず操作できること。
こうした一つひとつの積み重ねが、施設への安心感につながるのだと思います。
また、制作中にレイアウトや導線を何度も見直したことで、最初に考えた形へ固執しないことの大切さも学びました。
実際の画面を見て、使う人の立場から違和感を探し、必要に応じて構成を変えていく。
ホームページ制作は、最初から正解を作る作業ではなく、確認と修正を繰り返しながら、伝わる形へ近づけていく仕事だと考えています。
ホームページは、施設と家族が出会う最初の場所になる
介護施設を探しているご家族にとって、ホームページは施設との最初の接点になることがあります。
だからこそ、情報を掲載するだけではなく、施設が大切にしていることや、その場所の空気が少しでも伝わるサイトにする必要があります。
今回の制作では、ヒアリングから情報を整理し、写真、色、文字、問い合わせ導線を一つずつ組み立てました。
公開時にはドメイン設定の問題もありましたが、制作から公開まで一通り経験したことで、デザイン以外の部分も含めたWeb制作の理解が深まりました。
SunnySideDesignでは、見た目を整える前に、まず「誰に、何を伝えたいのか」を一緒に考えることを大切にしています。
まだ掲載内容が決まっていない段階でも、必要な情報を整理しながらホームページの形を考えていきます。




